今回は福島市に電話で学校給食測定の調査を致しました.担当者は(KAさん)でした.
まず,導入時に測定器の機器効率校正は,必要ないとメーカーが福島市に説明したということです.
市の担当者とメーカーの確認をとりました.導入時には,ベラルーシで校正された基準で出荷されているということで,国内でのきちんとした機器効率校正の確認はとれていないということです.
そういうことで,H24とH25年の2年間において,一度もきちんとしたアイソトープ協会で値付けされた線源で校正されていないということが判明しました.
まず,そのような機器を選定したことに,疑問があるし,その後の対応にも不思議だなと感じます.
そこで,今年(H26)になって実施する予定とのことです.本来1年に最低一回が普通です.
ましてや国の基準値の何倍も厳しい測定をするとなるとなおさらです.
学校給食の測定は、外部委託で、(株)環境分析研究所に委託しているそうです.
精度の検証はH24年に1回,H25年に2回ほど既知検体で確認した精度であるそうです.実際のどのくらいの濃度の検体か分かりませんでした.
厚生労働省の食品スクリーニング法で示す日々の確認は行なっていないという事です.
学校給食では空き教室などを利用して30台も測定しています.当然,空調などもない場合が多く,春夏秋冬とても室温の変化も激しい.
とても精度を維持する事は大変だと推測されます.
そして、下記が販売元が示した検出限界のデータです.メーカーでさへ密度1の検体で800秒の測定で2σ(95%の確率で)10Bq/kgのものを測定すると誤差が50%であることを明記しております.
------------------
AT1320A/Cユーザー向けに、検出限界値および測定時間などの考え方及び注意事項などを記載した文書を作成しました。
http://www.adfutec.com/image/pdf/Catalog_130809_AT1320AC.pdf
実際にいわき市で,福島市の学校給食の測定器と同じもので,約21Bq/kgのものを,20回測定した結果の画像です.
NDを除いて,調べてみても、Cs137を2σでみると±6.9Bq/kgで3σをみると±10.3Bq/kg程度になる.

2σ 6.9/13*100=53%
3σ 10.3/13*100=79%となり,おおよそアドフューテックの検証とあまりずれはないであろう.
いわゆる国内での放射線測定は2σでなく3σを採用しているので,今回はCs137が13Bq近くあると3-23Bq/kgと表示しても確率的におかしくないということになります.
また、福島市の学校給食では、誤差をみていない.
8Bq/kgでも9Bq/kgの数値の場合は,不検出になるそうだ.
これはとても酷い話だ.
そこで,「プロメテウスの罠)給食に福島米:7 正確に20ベクレル測れるか」にでてくる合計で20ベクレル/kgをはかれるのか?
という問いには、
一年半前からムリだと言ってきているように,やはりダメです.
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201310040667.html ここで問題であるが、教育委員会の方に,このようなしぶとい質問をするような,問合せはが過去にありましたか?という質問にはありません.
外部委託していますが,しっかり測れていることを,きちんと確認していますか?という問いには,過去3回ほど既知検体を測定してもらっただけ!
この外部の会社((株)環境分析研究所)もしっかりした知識があれば、このような事柄はわかると思うのですが微妙!
専門家の誰もが,見て見ぬ振りしている現状がある.
アドフューテックの担当者に,核種10Bq/kg未満というには、どのくらいの測定時間が必要ですか?と訪ねると1800秒以上はという回答でした.
一年半以上の道のりでしたが,福島市の測定の嘘を科学的に証明できるレベルで確証を持てました.
そして,大半の責任者は,外部に丸投げできちんとした検証確認を行なっていなかったり,機器の管理を行なっていない場合もある.そして委託業者も,仕事をもらっているので,おかしいなと思っていたとしても,黙っているケースもある.専門家やアドバイザーは機能していない現状がある.
最後に,担当者は悪気があったわけではない.ただきちんと専門家に相談しなかった.独断できめたのか?わからない.アドバイザーも各市町村にいると思うのだが,何をしているのか?と思う.
私自身,福島の食品汚染の状況はよく知っていて,実際の内部被ばくはとても少ない.
ただ,行政の取組みはあまりにもお粗末すぎ,心配しているお母さん方の気持ちを受け止めるには至らない.そして信頼されない.
今回も,誰も間違えていましたと言わないと思う.
膨大な税金を利用して,給食測定であった.実際には地元をやや汚染がある食材はほとんど使われず,形だけのスクリーニング事業になってしまった.
二本松市の市場のように,セシウムを測定していなくても,「測定しているか安全です.」など,とんでもない取組みをしていても謝罪しないような方もいる.
福島県民の,この『もやもや』した気持ちは何処にいきつけばよいのか?悩みます.